ドラキュラから無料ゲーム総合サイトへ
2008年06月26日
そっと窓から覗くと裕子はそこにいました。壁際に置かれた白くて光る箱に向かっています。しきりに手元の平たいボードを触り、「ちっ」とか「くそっ」って呟いたり、「やったあ」と叫んでは喜んでいます。あれがパソコンと呼ばれるもので、裕子はそこに展開するゲームをやっているのだと、わたしは知っています。実はたった今、別の女性の首に牙をむいたばかりで、その女性もパソコンのゲームに興じていたのです。
その女性の血はひどくまずいものでした。日夜ゲーム三昧で、栄養不良だとわかっていたのですが、裕子と同じ境遇の彼女に興味を持ったのです。
わたしは裕子にそうなってほしくないのです。もっと健康でほがらかな女性になってほしいのです。そして、わたしのためにおいしい栄養豊かな血となって、現れてほしいのです。
わたしはたった今、牙を向いたその女性の部屋にもどりました。つけっぱなしになっていたパソコンの前に座り、マウスを動かし、キーボードに触れました。
画面が変わりました。無料ゲーム総合サイト、そう読むことができました。裕子を助けたい、それだけのためだけに、わたしは無料ゲーム総合サイトに立ち向かいました。
‥‥‥。
それから一週間、わたしは、ひからびたミイラまがいとなって、無料ゲーム総合サイトにのめり込んでいます。このままだと砂となって崩れてしまうとわかっていても、やめられないのです。
オンラインゲームの数々、ダウンロードゲームの数々。それらはなんと眩しいばかりに楽しい無料ゲーム総合サイトでしょう。
そして今、もう一度だけ裕子に会いたいという気持ちは空しくからまわりし、ゲームオーバーとなって、わたしに襲いかかってくるのです。
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無料ゲームサイトの謎
2008年06月07日
そもそも無料ゲームサイトが存在することに自体が不思議なのです。いったいぜんたい、なんだって無料なのでしょうか。ゲームサイトがどうのこうのと言っているんじゃないのです。どうして無料なのかってことを問い正したいのです。
だって、パソコンで無料ゲームサイトを検索してみてください。どれだけの無料ゲームサイトが存在していることでしょう。
1ページめ、2ページめ、無料ゲームサイトばかりです。3ページめ、無料ゲームサイト、ええい、めんどくさっ、10ページめをクリックしたところが、まだ無料ゲームサイト、なのです。
世の中、いったいどうなってしまったのでしょうか。昔からタダほど高いものはないって言います。それなのに、この無料ゲームサイトのおびただしい数はなんなのでしょうか。
考えただけでも恐ろしくなります。何かの陰謀か、啓蒙による洗脳か、パズルか、シューティングか、混乱からの発狂か、そこから脱出するにはどうしたらいいのか、見えない敵との対戦、いいや、どうせ戦うんだったら銃や剣を持つよりゲームの方がいいに決まっている。
だって、楽だし、血を見なくてすむし‥‥‥。
「そうか!」
ここでハタと気がつきました。
だからゲームなんですね。人々の深層に潜む差別や醜い欲望やアホくささを、ゲームという明るい手法で取り除こうとしているのですね。
しかもタダなんです。
よくわかりました。やってやろうじゃありませんか。
だって、無料のゲームサイトなんですから。
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